指導者としてチームのやる気の温度差を無くす方法
You Tube SYMPATHY UNION 指導者としてチームのやる気の温度差を無くす方法
Question
キャプテンと副キャプテンが部活を通して、成長しようとか能力を伸ばそうという気がなく、練習が始まる時間にも遅刻してきます。その二人の後輩である1年生や同級生が前もって準備をしてくれます。その温度差で雰囲気が悪くなり、喧嘩になることもあります。なにか解決するためのよい方法はありますでしょうか
Anser
指導者が選手のことを、この子たちはいい子だと思えるかどうかです。
アメリカの症例ですが、心理学実験があります。
クラスでランダム(成績上位も下位も混ぜて)に生徒を選び、この生徒は成績がいい生徒だと伝え、次の担任に引き継ぎました。生徒の成績が数カ月後上がったという事例です。
ピグマリオン効果
ピグマリオン効果(ピグマリオンこうか、英: pygmalion effect)とは、教育心理学における心理的行動の1つで、教師の期待によって学習者の成績が向上することである。別名、教師期待効果(きょうしきたいこうか)、ローゼンタール効果(ローゼンタールこうか)などとも呼ばれている。なお批判者は心理学用語でのバイアスである実験者効果(じっけんしゃこうか)の一種とする。ちなみに、教師が期待しないことによって学習者の成績が下がることはゴーレム効果と呼ばれる。
人間におけるピグマリオン効果
1964年春、教育現場での実験として、サンフランシスコの小学校で、ハーバード式突発性学習能力予測テストと名づけた普通の知能テストを行ない、学級担任には、今後数ヶ月の間に成績が伸びてくる学習者を割り出すための検査であると説明した。しかし、実際のところ検査には何の意味もなく、実験施行者は、検査の結果と関係なく無作為に選ばれた児童の名簿を学級担任に見せて、この名簿に記載されている児童が、今後数ヶ月の間に成績が伸びる子供達だと伝えた。その後、学級担任は、子供達の成績が向上するという期待を込めて、その子供達を見ていたが、確かに成績が向上していった。報告論文の主張では成績が向上した原因としては、学級担任が子供達に対して、期待のこもった眼差しを向けたこと。さらに、子供達も期待されていることを意識するため、成績が向上していったと主張されている。この詳細がまとめられた報告書は、Rosenthal, R. & Jacobson, L.:"Pygmalion in the classroom",Holt, Rinehart & Winston 1968として刊行された。
(ウィキペディア(Wikipedia)より)
人間って面白いですね。他にも心理実験があります。
関西カウンセリングセンターで学んだことですが、ある部屋に10人の人がいるとします。
1人が被験者で、それ意外の9人は実験内容をわかっている人達です。

(赤色のものを見せて)この色は何色ですか?

赤色です。

黒色ですよ。(9人全員)

(え?赤じゃないの?)

(次は青色のモノを見せて)この色は何色ですか?

青色です。

赤色じゃないですか!(9人全員)

(え?青色じゃないの?)
これを2、3時間します。
すると、被験者は赤色を黒色といい、青色を赤色というようになります。
これが人間の心理です。ここから、何がわかるでしょうか。
指導者側が生徒のことをどう思うかで、生徒が成長するかしないかが変わってくるということです。
だからこそ、指導者はどんな生徒に対しても、『いい子』と思えるかどうかです。
たとえ、サボるというような行為をしたとしても、それには何か理由がある、原因があると思わないとその生徒を救ってやることはできません。
周りから、『この子はいい子です』と紹介されると、いい子と思って扱い、『この子は悪さをしてきた子です』と紹介されると、そのように扱ってしまいます。
以前指導したバレーボールチームがその事例でありました。
中学時代にそうとう悪さをしてきた選手でしたが、この選手をキャプテンにしてください。と監督にいうと、大声で否定されたくらいの選手でした。
しかし、私はこの選手は大成する器がある。選手をまとめる器があると思い、接し続けました。
すると、本当に他の選手をまとめ、全国3位という結果を残しました。
その後その選手はバレーボールの強い大学へ進学し、2回生ながらチームを仕切っていたと聞きました。
その選手は普段は教官室によりつきもしないような選手でしたが、私がいくと必ず何か用事をみつけては、教官室にくるという行動をしていました。
それは、私が『君はいいやつだ』と最初からずっと接し続けたからです。
監督は、一番扱いにくい選手と当初からいっていましたが、私からすると、一番いい選手で、チームの要になる選手だと思っていました。
人間は視点で変わります。
人に対してレッテルをはる指導者であってはいけません。
そのレッテルは指導者、あなた自身が作り出している他ありません。
それを自覚し、指導者自身が視点を変え、選手をみてやることです。
選手を変えるよりも、先ずは自分自身の視点を変えることです。