市立尼崎高等学校ソフトテニス部

長谷川先生は、兵庫のじぎく国体スペシャルアドバイザー(国体優勝)、松下電器(現パナソニック)野球部アドバイザー(全日本選手権優勝)などチームビルドに関わったところは必ずと言っていいほど結果を出しています。国体では、2003年に立ち上がった選手強化策「プロジェクト1」のディレクター平尾誠二(元ラグビー日本代表監督)を補佐し、異競技間交流のパイプ役・相談役として活躍。松下電器野球部では、2番手捕手だった九鬼義典選手を全日本の4番バッターにまで育て上げたり、メジャーでも活躍し昨年阪神で引退した建山義紀投手の獲得、育成など個別指導と全体指導のバランスを取りながらチームの意識改革に着手しました。

このように、長谷川先生にはいくつものチームマネジメントの事例がありますが、今回クローズアップするのは『市立尼崎高等学校ソフトテニス部』です。常勝だったが陰りが見えはじめた男子チーム、絶対王者・姫路商業に行く手を阻まれていた女子チーム。男女入り混じったこのクラブのチームビルドは、社長の西が初めて関わったチームマネジメントでもありました。

  • チームに関わった当初 連覇がかかった3年生最後のインターハイ。直前指導でなんとかチームを優勝させたものの、翌年のチームが問題だらけでした。市立尼崎高校といえば、野球部、サッカー部、バスケ部、バレー部・・・と県トップクラスの力を持つクラブが多数あり、しかも、そのクラブで頑張る選手たちが集まる体育科があるなど、私学に負けないぐらいのスポーツ名門校。ソフトテニス部も男子が兵庫県を連覇中というくらい優秀なクラブであったのですが、パッと見ではシャキっとしない選手たちが多く、練習前のランニングもダラダラとした感じでした。真面目なのですが、体育の先生方からよく怒られるような選手たちが多く、それが試合結果とも繋がり、当時男子で強くなっていた網干高校にこのままでは負けるのでは・・・という状況でした。
  • 長谷川先生のマネジメント まず首脳者会議からということで、顧問の先生方と打ち合わせを繰り返し、チームの方向性を統一。その間に、全選手の脳波測定などの各種測定とヒアリングを行いました。選手の心身の状態と、選手から出た要望などを踏まえながら、指導者と選手の間にあるギャップを埋めていく指導計画を策定。全体指導でちょっとずつ意識を変えながら、柱の選手をつくるために個別指導に力を入れていきました。

男子チームでは、当時3番手だった鈴木・黒澤というペアに着目した長谷川先生。というのも、生真面目な後衛:黒澤君に加え、前衛:鈴木君は長身のうえ、身体能力が抜群でした。しかし、特に鈴木君はいつも不平不満を口にしてチームに悪影響を与えるような、指導者からしたらちょっとやっかいな選手。センスはあるのに気持ちの浮き沈みが激しく、それが原因で結果が出せない選手でした。長谷川先生は、そんな鈴木君をいつも特別に呼んで元気・勇気づけていくと、次第に頭角を現しだしました。そこにすかさずテクニックと戦略、そしてそれを活かすフィジカルトレーニングを指導し、インターハイ前にはこの2人は相当なペアになっていました。

結局、ベスト4で同じチームの1番手とあたりそれに勝ち、決勝でも網干高校の1番手を破り個人・団体ともに優勝を成し遂げました。女子も、兵庫県では敗れたものの、個人でインターハイに出場した太田・岡田ペアが全国ベスト4と大活躍となりました。それだけに話は終わらず、チームの1番手で主将の三善選手は、クラブ終了後に勉強で早稲田大学に進学。大学で2連覇を果たし、社会人選手権でも全国3位。就職も、ダンロップから逆指名され、就職試験なしで一発内定。今はソフトテニス事業部のエースとして活躍。チーム力・選手力だけでなく、人間としての総合力を高める結果となりました。

長谷川先生は言います。「指導のテクニックはあるけれど、一番重要なポイントは、どれだけ選手のことを愛しているか。その愛が深ければ、相手も心を開いて、こちらの言うことを受け入れてくれる。その心のやりとりが、選手を成長させ、チームビルドするために最優先するべきことなんだ。」と。

 

 

コメントを残す

*

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください